大判例

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東京高等裁判所 昭和42年(ネ)1717号 判決

控訴人は、昭和三二年四月一日合資会社南部製作所の事務所において、金五万円を持参して旧建物改築の承諾を求めにきた被控訴人に対し、右承諾を拒絶するとともに合資会社南部製作所の工場改築計画を説明し、本件返還請求区域に該当する部分の返還を要請したと主張する。しかし、当審における控訴本人尋問の結果中のこの点に符合する供述部分はにわかに信用できず、また、当審証人梅原一太郎の証言により、成立を認める甲第一一号証中には右控訴人の主張事実にそう記載があるけれども、同号証は、既に旧建物改築の承諾をめぐつて当事者間に紛争が生じ、控訴人がその処理について弁護士に相談ないし依頼した後に、訴外梅原一太郎に命じて作成せしめ、弁護士に交付した文書であることが、右梅原証人の証言、当審における証人荒井秀夫の証言及び控訴本人尋問の結果(一部)により認められるので内容において信憑性に乏しく、かつ、原審及び当審における被控訴本人尋問の結果に対比するも採用できない。また、当審証人荒井秀夫の証言中にも、弁護士荒井秀夫が控訴人から本件紛争の処理について相談を受けた際、前記控訴人主張の事実にそう内容の話を控訴人から聞知した旨の供述部分があるけれども、原審及び当審における控訴本人尋問の結果が措信できない以上、右証言もまた採用に由ないものである。なお、当審証人梅原一太郎の証言により梅原が作成したものであることが認められる甲第一二号証の一ないし四〇の各一、二も控訴人の前記主張事実を肯定せしめる資料たり得ない。その他、旧建物の改築の承諾に関する当裁判所の認定(原判決引用)を覆えして控訴人の主張事実を肯認せしめる資料はない。

(長谷部 石田実 麻上)

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